NMN
Nicotinamide Mononucleotide
NAD+値の上昇は確認されているが、臨床的効果はデータ不足
40代で感じる疲れやすさ・回復の遅さ・肌のくすみ。これらが同じ原因から起きているとしたら、対策が根本から変わる。
40〜60代でのNAD+残存量(20代比・複数研究の推定値)
40代になると、同じ運動でも翌日の回復が遅い、徹夜後の立ち直りが遅くなった、肌のくすみが取れにくくなった、という変化を感じる人が増える。これを「年だから仕方ない」で片付けるのは正確ではない。
近年の細胞研究で明らかになってきたのが、NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という補酵素の低下だ。体中の細胞に存在し、エネルギーを作る・DNAを修復する・老化の速度を調整するという3つの役割を持つ。
NAD+は加齢とともに低下し、40〜60代では20代比で50%以下になるとされる(Massudi et al., 2012; Zhu et al., 2015 ほか複数研究)。
減少が引き起こす変化は3つある。①ミトコンドリア(細胞のエンジン)がエネルギーをうまく作れなくなる→疲れやすさ・回復の遅さ。②DNAの修復が滞る→細胞のダメージが蓄積するスピードが上がる。③サーチュインという長寿遺伝子が機能不全になる→炎症が抑えられず、脂質代謝・テロメア維持が低下する。
これらの変化は互いに連鎖し、老化のスピードを加速させる。NAD+の前駆体(素材となる成分)を補充することで、血中NAD+が上昇することが複数のヒト試験で確認されている。
NAD+そのものを飲んでも消化管で分解されてしまうため、前駆体(材料)を補充する方法が研究されている。主な選択肢はNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)とNR(ニコチンアミドリボシド)の2種類。
最初に試すならNRを選ぶ。ヒトを対象にした比較試験の数がNMNよりも多く、血中NAD+の上昇が複数の試験で再現性高く確認されている(Trammel et al., 2016; Remie et al., 2020 など)。NMNは動物実験での知見は豊富だが、ヒト試験はまだ蓄積中の段階。
「NMNとNRどっちが上か」という議論は現時点では決着がついていない。両者を詳しく比較したい場合は比較ページを参照してほしい。
NAD+前駆体。ヒトRCTで血中NAD+の上昇が再現性高く確認されている。現時点でNMNより研究数が多い。
NAD+は今この瞬間も低下し続けている。40代に入ってから始めるのが遅いことはないが、早いほど累積ダメージを遅らせられる。
Tru Niagen NR 300mg
NAD+の直接前駆体。動物実験での抗老化効果が豊富。ヒト試験では血中NAD+上昇が確認されている。
最初に試すならNRを推奨します。ヒトを対象にした試験の数がNMNよりも多く、再現性が確認されています(Trammel 2016, Remie 2020など)。NMNはDavid Sinclair教授らが研究に使用し注目を集めていますが、ヒト試験はまだ蓄積中です。詳細はNMN vs NR比較ページで確認できます。
Remie et al. (2020, Nature Communications) のNR試験(1000mg/日、6週間)では骨格筋のNAD+は有意に上昇しましたが、主観的な疲労スコアには有意差が出ませんでした。感覚的な変化には個人差が大きく、3〜6ヶ月の継続が推奨されています。細胞レベルの変化は測定値に先に現れます。
ナイアシン(ビタミンB3)やトリプトファンを含む食品(鶏肉・まぐろ・アボカドなど)はNAD+の材料を含みますが、食事だけで加齢による低下を補うには量が不足します。食事でベースを作り、不足分をサプリで補う組み合わせが現実的です。
レスベラトロールはサーチュイン活性化剤として研究されており、NAD+前駆体との組み合わせは理論上の相乗効果が期待されています。ただし組み合わせでのヒト試験は限られているため、単独で効果を確認してから追加するのが合理的です。
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NAD+値の上昇は確認されているが、臨床的効果はデータ不足
Nicotinamide Riboside (NR)
NMNと同じNAD+前駆体。ヒト臨床試験でNAD+レベル上昇が確認されている
Resveratrol
動物実験では有望だが、ヒトでの抗老化効果はまだ確認されていない
Coenzyme Q10
ミトコンドリア機能・酸化ストレス低減への関与がRCTで確認されている
Quercetin
老化細胞(ゾンビ細胞)の除去に関与する可能性が示されているフラボノイド
Spermidine
オートファジーを誘導し、細胞の「自己浄化」を促す長寿研究の注目成分