クレアチン
Creatine
筋力だけじゃない。睡眠不足時の認知機能改善もメタ解析で確認されている
30代は筋肉が「減らない年代」ではない。毎年1〜2%静かに失われ、10年経つと取り戻す努力は2〜3倍になる。サルコペニア(加齢性筋肉減少症)は60代の話ではなく、すでに始まっている。
30歳以降の筋肉量自然減(Doherty 2003)
サルコペニアはギリシャ語で「筋肉の貧困」を意味し、加齢に伴う筋肉量・筋力・身体機能の低下を指す。アジア人向けの診断基準AWGS 2019(Chen 2020 J Am Med Dir Assoc)では、握力(男性28kg未満・女性18kg未満)・歩行速度1.0m/秒未満・骨格筋指数の3軸で診断する。
「高齢者の話」ではない。Doherty 2003(Journal of Applied Physiology)は30代から年1〜2%の筋肉量減少が始まり、50歳以降に減少速度が加速すると報告している。早い段階で「貯金」を作っておく方が、後の老化ペースを大きく左右する。
筋肉は運動器官だけではない。代謝・ホルモン・脳・骨に作用する「内分泌臓器」として機能する。減ると以下の3経路で全身の老化が連鎖して加速する。
Lexell 1988(J Neurol Sci)の研究では80歳代の筋線維数は20歳代の約50%まで減少していた。だがこれは「必然」ではない。適切なタンパク質摂取と筋力トレーニングを継続した高齢者では、筋肉量・筋力の有意な維持が確認されている。
サプリ単独で筋肉量は増えない。Phillips 2009以降の複数メタ解析で、筋トレなしのサプリ摂取は筋肉量への寄与が大幅に小さいと繰り返し示されている。理由は、筋合成シグナル(mTOR経路)の活性化がレジスタンス運動由来であるためだ。
タンパク質の摂取量も同じく土台側だ。体重60kgなら72〜96g/日、体重70kgなら84〜112g/日が目安。1食あたりロイシン2.5〜3g(タンパク質20〜25g)が筋合成スイッチmTORの活性化閾値とされる(Volpi 2003 J Clin Endocrinol Metab)。
筋トレは自宅でも成立する。週2〜3回・1回20〜30分の自重スクワット・腕立て・プランクの組み合わせで、30代の筋肉維持には十分足りる。ジム通いやマシン使用は「より効率的」だが必須ではない。
筋肉ケアのエビデンスは3つに集約される。順序は「食事のタンパク質確保→週2筋トレ→クレアチン→HMB」で、サプリ単独ではなく筋トレと並走させるのが前提だ。
筋合成の材料。食事から摂り切れない分をホエイプロテイン(WPI推奨)で補う。1食あたりロイシン2.5〜3g(タンパク質20〜25g)が筋合成スイッチmTORの活性化閾値(Volpi 2003)。動物性(鶏胸肉・卵・魚・乳製品)はロイシン含量が高く効率的、植物性(大豆・キヌア)はビーガン向きだが量がやや必要になる。
筋力・筋量・認知機能への効果がメタ解析100件超で支持。月¥420前後のコスパ最強サプリ。脂肪燃焼系のL-カルニチンとは作用機序が違うため、目的が筋肉維持ならクレアチンが第一選択になる(クレアチンとカルニチンの違い完全ガイドで詳細整理)。
ロイシン代謝産物(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸)。筋タンパク分解を抑制し、高齢者・運動初心者でもクレアチンより効果が出やすいとされる(Phillips 2019 JCSM メタ解析 n=287)。
クレアチンから始めるのが最短ルートだ。NOW Foods Creatine Monohydrate Powder 1kgなら月¥420、約200食分。1食5gをスプーン1杯、毎日同じ時間に水か牛乳に溶かす。これで筋力・除脂肪体重・認知機能の3方向にメタ解析100件以上の支持が得られる。
モノハイドレート1kg粉末で中央用量5g/日を毎日同じタイミングで再現できる継続設計の1本。
純粋クレアチンモノハイドレート1kg・1食5gでRCT使用量・約200食分

NOW Foods
Creatine Monohydrate Powder 1kg
¥14/日
月¥420・初期¥2,800〜
NOW Foods Creatine Monohydrate Powder 1kg・1食5gで筋力・除脂肪体重メタ解析の中央用量を完全再現。GMP認証工場・第三者検査済み・月¥420と最安レベルの継続コスパを実現する世界的定番。
上乗せ候補は以下の3方向だ。
タンパク質と筋トレで土台が立ち上がったら、次に積み上げる1本目はクレアチンだ。Kreider 2017(International Society of Sports Nutrition ポジションペーパー)と2020メタ解析(n=22,000)で、筋力・除脂肪体重(プラセボ比+0.6〜1.2kg)・無酸素運動パフォーマンスへの効果が確定的に示されている。2022年Experimental Gerontologyのメタ解析(n=750)では認知機能(高齢者・睡眠不足時)への改善も確認された。
形態はモノハイドレート1択でよい。HCl・エチルエステル等の新形態とのRCT優位差は確認されていない(Jagim 2012 J Int Soc Sports Nutr)。CreapureまたはNOW Foods等のGMP認証・第三者検査済みクレアチンモノハイドレート1kg粉末を選べば、約200食分・月¥420と最安レベルで継続できる。アスリートから一般成人まで30年以上使われ続ける世界的定番だ。
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クレアチンが筋タンパクの「合成促進」なら、HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸・ロイシン代謝産物)は「分解抑制」側に作用する。Wankhede 2014(Eur J Appl Physiol n=56 12週)で筋力・除脂肪量の改善と筋ダメージマーカー(CK)の低下が確認され、Phillips 2019(Journal of Cachexia, Sarcopenia and Muscle メタ解析 n=287)では高齢者で除脂肪体重維持・下肢筋力改善も支持された。運動量が少ない高齢者・初心者でクレアチンより効果が出やすい特徴があり、加齢で分解優位になる時期に向く。
用量は1.5〜3g/日(1日3回に分割)、評価は8〜12週以上。「クレアチン+HMB」のスタックで分解側もカバーするのが王道だ。
分解抑制軸でクレアチンと作用機序が異なり、加齢で分解優位になる時期の二段構えに最適。
Optimum Nutrition HMB 1000mg×3粒・サルコペニア対策RCT濃度上限

Optimum Nutrition
Optimum Nutrition HMB 1000 Caps 90 Capsules
¥117/日
月¥3,500・初期¥3,500〜
Optimum Nutrition HMB 1000 Caps 90粒・1日3粒で3000mg(dosageMax相当)。スポーツ栄養世界最大手のGMP認証・第三者検査済みで月¥3,500、Phillips 2019メタ解析の高齢者用量を再現できる。
化粧品の原料審査で同じ視点を使うと、ホエイプロテインは加工度で3グレードに分かれる。
日常使いはWPI、お腹が弱い人は植物性ブレンド(大豆・エンドウ)が現実的だ。原料品質はラベルの「タンパク質含有率」と「製造工場のGMP認証有無」で判断するのが化粧品開発の現場感覚と同じになる。
「高タンパク食は腎臓を痛める」という通説は、健常者には当てはまらないことがDevries 2018(Journal of Nutrition メタ解析 n=1,358・28RCT統合)で示されている。1.2〜2.4g/kg/日の高タンパク群は通常タンパク群と比較してeGFR(推算糸球体ろ過量)に有意差がなかった。
ただし以下の3条件では事前に医師相談が前提になる。
クレアチンは血清クレアチニン値を10〜30%上昇させるが、これは筋肉量増加に伴う代謝産物の増加であり病的所見ではない(Kreider 2017 ISSN)。腎機能を定期検査している場合は事前に主治医に「クレアチンを継続している」と伝えておくと、検査値の解釈ミスを防げる。
クレアチン3〜5g/日で安定運用できているなら、次に積み上げる軸は以下の方向にある。
クレアチン1本で月¥420、HMBを追加して月¥3,900前後、上記の上乗せ4成分まで全部入れても月¥6,000〜¥7,000の範囲に収まる。30代から始めれば20年後の歩行・代謝・認知の差が最も効率よく出る投資の1つだ。
筋力・筋量・認知機能への効果がメタ解析100件超で確認。コスパ最高のサプリ成分。
筋タンパク分解を抑制。運動量が少ない高齢者・初心者でも効果が出やすい。
動物性タンパク(鶏胸肉・卵・魚・乳製品)はロイシン含量が高く筋合成効率が高い。植物性では大豆タンパク(豆腐・納豆・大豆プロテイン)がアミノ酸バランスに優れる。 体重60kgなら1日72〜96gが目標で、1食20〜25g(ロイシン2.5〜3g)を3〜4食に分散させるのが筋合成シグナル(mTOR)を1日複数回立ち上げる方法だ。食事から摂れない分はホエイ・植物性プロテインパウダーで補うのが現実的になる。
クレアチンは20代からの使用に安全性問題はなく、若い時から使い始める方が筋肉量の「貯金」として効果的だ。副作用として体内水分量の増加(体重0.5〜1kg増)があるが、これは筋肉内水分であり体組成には悪影響しない。 腎機能低下のある方は医師相談が前提。健常者ではDevries 2018 メタ解析(n=1,358)でクレアチンと高タンパク食を含む摂取が腎機能(eGFR)に有意な悪化を引き起こさないことが示されている。
作用機序が異なるため(クレアチン=合成促進、HMB=分解抑制)、組み合わせは理論上の相乗効果が期待される。一部のRCTで単独より優れた筋合成効果が示されている。 まずクレアチン単独から始め、4〜8週で効果確認後にHMBを追加するのが合理的な順序だ。同時に始めるとどちらの効果か判別しにくくなる。
①30代:合成促進効果がフルに出る年代で「筋肉の貯金」期。 ②40代:効果は出るが回復速度低下・テストステロン減少で運動量維持の難易度上昇。 ③50代以降:合成促進はやや弱まり、HMB(分解抑制)との併用で効果が出やすい(Chilibeck 2017 JCSM)。 年代問わず「3〜5g/日+週2-3回の筋トレ」が最大公約数で、年代が上がるほどタンパク質量の上乗せ(1.4〜1.6g/kg)が必要になる。
①ホエイ(速):ロイシン約11%で運動直後の筋合成に最適(Tang 2009 J Appl Physiol)。 ②カゼイン(遅):就寝前で夜間筋分解抑制(Res 2012 Med Sci Sports Exerc)。 ③大豆(中速度):ロイシン約8%・乳製品アレルギー対応(Joy 2013 Nutr J)。 種類より「1日の総タンパク質量1.2〜1.6g/kg達成」が優先だ。運動直後ホエイ+寝る前カゼインが組み合わせの最適解になる。胃もたれする人はWPI(分離乳清・乳糖カット)かEAA 10〜15g/回が代替として機能する。
近年は「1日の総タンパク質量と分散摂取」が主流見解(Aragon 2013 J Int Soc Sports Nutr)。 ①1日3〜4回に分散・1回20〜40g。 ②運動日は運動後2時間以内に20〜40g。 ③就寝1〜2時間前にカゼイン20〜40g。 ④朝食でタンパク質20〜30g。 「運動直後ゴールデンタイム」より「1日通して2〜4時間ごとに分散」が現在の研究と整合する組み立てだ。
計画性が必要だが可能だ。 ①総タンパク質量を1.4〜1.8g/kgとやや高めに設定する。 ②ロイシン量は大豆・レンズ豆・キヌア等で意図的に組み合わせる(大豆+米でアミノ酸スコア補完)。 ③B12・クレアチン・鉄・亜鉛はビーガンで不足しやすくサプリ補充推奨。 ビーガンプロテイン+クレアチン+B12の3点セットが最低限構成で、医療職への栄養相談が安全側になる。
Phillips 2009以降の複数メタ解析で「筋トレなしのサプリ単独は筋肉量への寄与が大幅に小さい」と繰り返し報告されている。理由は筋合成シグナル(mTOR経路)活性化がレジスタンス運動由来であるためだ。 実用上は「週2〜3回の筋トレ20〜30分+サプリ」が最低条件で、これを下回るとサプリ単独ではコストに見合うリターンが出にくい。自重スクワット・腕立て・プランクの自宅3種でも筋肉量維持には足りる。
健常者ではDevries 2018 Journal of Nutritionメタ解析(n=1,358・28RCT統合)で1.2〜2.4g/kg/日の高タンパク群と通常タンパク群でeGFR有意差なしと示されている。クレアチンも血清クレアチニン値を10〜30%上昇させるが筋肉量増加に伴う代謝産物の増加で病的所見ではない(Kreider 2017 ISSN)。 ただし慢性腎臓病(CKD)ステージ3以上・透析中・糖尿病性腎症進行中・痛風で食事制限中の方は事前に医師相談が前提。検査値の解釈ミスを防ぐため、クレアチン摂取中であることを必ず主治医に伝えること。
EAA(必須アミノ酸9種)はプロテインより吸収速度が速く、運動前後・空腹時の筋合成スイッチ起動に向く。10〜15g/回でロイシン2.5〜3gを満たせる。 プロテイン20〜25g/回と同等の筋合成刺激が得られるが、コストは1.5〜2倍。胃もたれする人・減量中のカロリー制限下・60歳以上で同化応答が鈍化(anabolic resistance)している層では費用対効果が立ち上がる(Børsheim 2008 Clin Nutr)。 基本は食事+プロテインで賄い、EAAは「胃が弱い」「カロリーを増やしたくない」「高齢で吸収が遅い」場合の選択肢になる。
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Creatine
筋力だけじゃない。睡眠不足時の認知機能改善もメタ解析で確認されている
HMB (Beta-Hydroxy Beta-Methylbutyrate)
高齢者の筋肉量・筋力維持への効果がメタ解析で確認されている抗サルコペニア成分
EAA (Essential Amino Acids)
10〜15g/回で筋たんぱく質合成が最大化される。BCAA単独より効果サイズが大きい
Vitamin D
メタ解析n=11,321で呼吸器感染リスク低下を確認(BMJ 2017)
Omega-3 (EPA/DHA)
EPAは抗炎症、DHAは脳・網膜。役割の違いがメタ解析で確認されている
Magnesium
日本人の平均摂取量は推奨量より約100mg/日不足。睡眠の質改善のRCTあり
L-Glutamine
腸管バリア機能と免疫細胞のエネルギー源として複数のRCTで研究されている
この記事で出てきた成分の「比較」「悩みハブ」「別角度のコラム」を横断。
クレアチン vs HMB(β-ヒドロキシ-β-メチル酪酸)
論文ベースでどちらを選ぶか整理。
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執筆:SciBase 編集者
化粧品メーカー現役研究者
査読済み論文のみを参照し、メタ解析・RCT を中心に成分エビデンスを評価しています。 業界倫理上、勤務先社名は開示していません。
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