オメガ3(EPA・DHA)
Omega-3 (EPA/DHA)
慢性炎症・心血管・認知機能への関与がメタ解析で確認されている
「自然由来だから安全」は、サプリと薬の併用で最も多くのトラブルを生んでいる思い込みだ。知らないまま飲み続けると、併用リスクは下がらない。
処方薬を服用する成人のサプリ併用率(米国の大規模健康調査・日本でも同等以上と推定される)
サプリを処方薬と併用する人の割合は、屋内勤務中心の生活が広がった2020年代以降、先進国で半数を超えている。米国の大規模健康調査では処方薬服用者の約57%がビタミン・ハーブを併用していた。日本でも同等以上の併用率と推定される。
そして併用のトラブルが起きる理由は、サプリそのものの毒性ではなく「食品扱いゆえに気付きにくい構造」にある。30代以降で処方薬が増え始めた時期に、まずおさえておきたい3つの構造を順に見ていく。
処方薬を2種類以上飲むと、薬局では「お薬手帳」で重複や相互作用が確認される。しかしサプリは食品扱いで、お薬手帳には載らない。飲み合わせの第一防衛線が機能しない領域に、自分で踏み込んでいることになる。
オメガ3は血をサラサラにする方向に働く。これは抗血栓薬と同じ向きの作用だ。アシュワガンダは甲状腺ホルモンを上げる方向に働く。甲状腺機能亢進症(甲状腺ホルモンが過剰になる病気)の治療中なら逆向きに作用してしまう。「効きそうな成分」ほど、薬と重なる作用を持ちやすい。
肝臓には薬の分解速度を決める酵素群(CYP3A4・CYP2C9などのCYP酵素と総称される)がある。一部のハーブはこれらの酵素を強めたり抑えたりする。たとえばセントジョーンズワートはCYP3A4を活性化させてピルの血中濃度を下げ、避妊効果が落ちる症例が報告されている。「ハーブはマイルド」という直感は、ここでは当てはまらない。
つまりリスクはサプリそのものではなく、知らないまま飲むことにある。本記事は処方薬を服用している30代以降の人が、医師相談前に自己点検するための地図として書いた。
「○○と××は危険」と書かれた情報は多いが、根拠の質は大きく異なる。判断のずれを減らすために、SciBaseでは成分ごとに併用情報を3つの軸で整理している。読み解き方を共有する。
確立は添付文書・公的機関の警告・大規模症例集積で裏付けられているもの。理論的は薬理学的に推定される(実臨床データはまだ少ない)。症例報告は数例レベルの報告。同じ「相互作用あり」でも判断の重みが変わる。本記事は確立と理論的レベルを中心に扱う。
回避は併用を避ける(医師相談なしで自己判断しない)。要注意は用量・タイミングを調整して併用する。経過観察は指標を測りながら継続可。「効果が落ちる」「効果が強まりすぎる」「副作用が出やすくなる」のどの方向かによって対応が変わる。
商品名(ブランド名)は同じ成分でも複数あり、混乱の元になる。お薬手帳に書かれた一般名(成分名)で確認するのが大原則だ。たとえば「ワルファリン」は一般名で、商品名はワーファリン等。検索するときも一般名で。
抗凝固薬・抗血小板薬/経口避妊薬(ピル)・ホルモン剤/SSRI系抗うつ薬/甲状腺ホルモン薬/免疫抑制剤・がん治療中/糖尿病薬/鎮静薬・睡眠薬/心血管薬・スタチン。自分が服用している薬のカテゴリだけ読めば良い。該当しない人は、appendixの「医師相談前にまず知りたい3成分」と「妊娠中・授乳中の判断フローチャート」「3ステップ自己点検」を中心に読むのが効率的だ。
ワルファリン(抗凝固薬)・アスピリン(抗血小板薬)等を服用中なら、最も注意したいのは血をサラサラにする方向の成分を重ねて飲んでしまうことだ。
オメガ3(EPA・DHA)はワルファリンと併用すると、理論的にINR(血液の固まりやすさを示す指標)が上がる可能性が指摘されている。ただし11件のRCTを統合した約12万名のメタ解析では出血リスクの有意な増加は確認されていない。3g/日超の高用量で始める場合は医師相談とINRの定期チェックが推奨される。
ビタミンEは400IU/日超で抗凝固薬の出血リスクを高める可能性が報告されている。日常用量(30〜100IU)であれば問題は少ないが、高用量サプリは併用前に確認したい。
ギンコ・ビロバ(銀杏葉エキス)は血小板を活性化させる物質の働きを抑え、ワルファリンとの併用で出血の症例が複数報告されている。「回避」寄りの「要注意」扱いが安全。
レスベラトロールは肝臓の薬代謝酵素(CYP2C9)を抑えてワルファリンの血中濃度を上げる動物・薬物動態研究があり、SciBase内分類は回避。手術予定がある場合は術前中止も主治医と相談したい。
候補成分があれば、まず診断ツール(Analyzer)で自分の服用薬と一緒に確認しておきたい。該当が見つかったら、お薬手帳の写真を持って薬剤師に「これを始めたい」と相談するのが最短だ。
ピル服用中の女性で確認しておきたいのは、血栓リスクの上乗せとピルの効果が落ちる方向の2つだ。
トラネキサム酸(経口)は止血方向に働くため、エストロゲン含有ピルとの併用で血の塊ができやすくなるリスクが添付文書で警告されている。シミ目的で婦人科以外から処方された場合も、ピル併用は要相談。
大豆イソフラボンは女性ホルモン(エストロゲン)の受容体に弱く結合する。ピル・更年期ホルモン剤と併用するとホルモン作用が上乗せになり、症状や副作用が変わる可能性が指摘されている。エクオール(大豆イソフラボンが腸内細菌で変換されてできる、より強いホルモン様物質)を体内で作れる人ではこの作用がより強く出る。
セントジョーンズワート(聖ヨハネ草)は肝臓の薬代謝酵素を活性化してピルの血中濃度を下げ、避妊効果の減弱が複数の症例で報告されている。サプリでなくハーブティーでも該当する。SciBase未登録のため一般情報として記載した。
ピル服用中で美容サプリを始めるときは、まず診断ツール(Analyzer)で「血栓方向の作用があるか」「ピル代謝を変えるか」を絞り込み、気になる候補を婦人科に相談するのが最短経路だ。
SSRI系(フルオキセチン・パロキセチン・セルトラリン等)は、脳内のセロトニン(気分や不安に関わる神経伝達物質)の濃度を上げる薬剤群だ。セロトニン方向の作用を上乗せする成分との併用で、セロトニン症候群(高熱・震え・発汗・興奮が出る稀な急性副作用)のリスクが議論される。
アシュワガンダはSSRIに似た働きと、免疫を調節する働きがある。SSRIとの併用で眠気の増強や、自己免疫疾患のある人での悪化が理論的に指摘されている。SciBase内分類は要注意で、開始時は精神科医への相談が推奨される。
5-HTP(5-ヒドロキシトリプトファン)はセロトニンの直接的な原料となる成分で、SSRIとの併用はセロトニン症候群の可能性が複数の症例報告で示されている。SSRI服用中は回避寄り。
L-トリプトファンも同じ原料経路で、5-HTPほどではないが併用には慎重さが必要。睡眠目的のサプリに含まれることが多いので成分表示の確認を。
セントジョーンズワート自体に抗うつ作用があり、SSRIとの併用はセロトニン症候群リスクが裏付けレベルで報告されている。SSRI服用中の併用は明確に回避すべき。
睡眠・気分を上げたくてサプリを足したい時こそ、まず診断ツール(Analyzer)でセロトニン方向の作用を持つ成分を除外したい。
レボチロキシン(甲状腺ホルモン補充薬)を服用中なら、注意点は薬の効果を上げすぎる成分と薬の吸収を下げる成分の2方向に分かれる。
アシュワガンダは甲状腺ホルモン(T3・T4)を上げる方向に働き、甲状腺機能亢進の症状(動悸・体重減少・発汗)が出るリスクが米国の医療ガイダンスで報告されている。甲状腺疾患で治療中なら開始前に主治医相談が大原則。
大豆イソフラボンは甲状腺ホルモンを作る酵素を抑える可能性があり、ヨウ素不足下で甲状腺機能低下を悪化させる報告がある。レボチロキシンの吸収にも影響する可能性が指摘されている。
カルシウム・マグネシウム・鉄はレボチロキシンと同時に飲むと吸収が30〜50%低下することが添付文書でも警告されている。サプリ自体に問題はないが、服用タイミングを4時間以上ずらすことが必要。
「タイミングをずらす」だけで解決するケースが多いので、該当する場合は薬剤師に服用順を相談したい。気になる成分があれば診断ツール(Analyzer)で先に絞り込んでおきたい。
臓器移植後の免疫抑制剤(タクロリムス・シクロスポリン等)服用中、化学療法中、自己免疫疾患治療中は、サプリ選びの基準が大きく変わる。
プロバイオティクスは健康な腸では安全だが、免疫が落ちている状態では腸内の生菌が血液中に入り重い感染症を起こすリスクが米CDCで報告されている。臓器移植後・重度の免疫抑制下では一般に推奨されない。
NMNは注目度が高い成分だが、化学療法中の使用は腫瘍学会で一時中止が推奨されている。動物試験で膵臓がんの進行を早めたり、抗がん剤による神経障害を悪化させる報告があるためだ。がん治療中・予定中は回避。
エキナセアやアストラガルス等の「免疫を上げる」と謳うハーブは、免疫抑制剤の効果を打ち消す方向に働く可能性がある。SciBase未登録のものを含むが、免疫を上げる方向のハーブは免疫抑制治療と原則相性が悪い。
該当する場合は、サプリの追加は必ず主治医・薬剤師の確認後に。健康な人でも、将来の治療備えとして診断ツール(Analyzer)で自分が飲んでいるサプリを記録しておくと、いざという時の確認が早い。
糖尿病薬(メトホルミン・尿で糖を排泄させるSGLT2阻害薬・インスリン分泌を促すスルホニル尿素薬 等)で血糖管理中なら、血糖を下げる方向のサプリの重ね塗りに注意したい。
ベルベリンは血糖を下げる作用が複数のRCTで確認されており、糖尿病薬との併用で低血糖リスクが議論される。インスリンやスルホニル尿素薬服用中は要医師相談。
クロムはインスリンの効きを高める成分で、糖尿病薬との併用で血糖が下がりすぎる症例が報告されている。1日200μg超の高用量サプリでは特に。
α-リポ酸は神経障害の痛みに使われる成分だが、軽度の血糖低下作用がある。糖尿病薬と併用する場合は血糖を測りながら継続したい。
これらは「回避」ではなく「経過観察」寄りで、自己血糖測定をしながら主治医と用量調整できれば併用可能なケースが多い。気になる候補があれば診断ツール(Analyzer)で先にリストアップしておくと、診察時の話が早い。
処方の睡眠薬・抗不安薬(ベンゾジアゼピン系・Z系などの一般的な睡眠薬・抗不安薬類)を服用中なら、眠気を強める方向の成分が重なって効きすぎることに注意したい。
メラトニンは安全性が比較的高い成分だが、処方の睡眠薬と併用すると日中の眠気・反応速度の低下が報告されている。1mg程度の低用量から始め、車の運転前は避ける運用が安全。
GABA(経口)は脳に届きにくい成分とされるが、抗不安薬と併用して効きすぎた症例が報告されている。睡眠サプリに混入していることが多いので、成分表示の確認を。
カバ(カバカバ)は強い鎮静作用と肝臓への毒性が報告されており、欧州では一部規制されている。ベンゾジアゼピン系との併用は回避。SciBase未登録のため一般情報として記載した。
睡眠改善目的のサプリを始めるときは、まず処方薬の見直しを主治医と話すのが順序として正しい。並行して診断ツール(Analyzer)でセロトニン・GABA経路を経由しない睡眠系成分(グリシン等)を絞り込んでおくと話が早い。
コレステロールを下げるスタチン系薬(アトルバスタチン・ロスバスタチン等)服用中なら、スタチンの代謝を変える成分とスタチンの血中濃度を上げる成分に注意したい。
CoQ10はスタチンで体内合成が下がる成分なので、補給目的の併用は理にかなっている。ただしワルファリン併用中はCoQ10がワルファリンの効きを弱める可能性が報告されており、別の注意が必要(72歳女性の症例でCoQ10中止により回復)。
赤麹(紅麹・モナコリンKを含む)は天然のスタチン作用を持つ成分で、医薬品スタチンとの併用は作用が重複して筋障害(重い場合は横紋筋融解症)のリスクが高まる方向。SciBase未登録のため一般情報として記載した。
グレープフルーツに含まれる成分(フラノクマリン)は肝臓の薬代謝酵素を強く抑える。多くのスタチン・血圧の薬(カルシウム拮抗薬)・免疫抑制剤の血中濃度を上げてしまう。サプリにグレープフルーツ抽出物が含まれている場合も同様の作用がありうるので、成分表示の確認を。
スタチン服用中で抗酸化・心血管系の補給を考えているなら、まず診断ツール(Analyzer)で「グレープフルーツ抽出物を含まない」「赤麹を含まない」候補を絞り込みたい。
慢性炎症・心血管・認知機能への関与がメタ解析で確認されている
ストレス・コルチゾール低下への関与がメタ解析で確認されている
ミトコンドリア機能・酸化ストレス低減への関与がRCTで確認されている
服用中の薬がない人にとっても、将来処方薬が増えたときに最初に併用確認すべき成分は決まっている。8カテゴリ全体を見渡すと、複数のカテゴリで登場する成分こそ警戒度が高い。
抗凝固薬との併用注意で代表的な成分。Sランクで効果は確立されているが、3g/日超の高用量で外科手術前後・抗凝固薬服用中は要相談。「とりあえず魚油」を続けている人は、処方薬が増えた時点で必ず服用リストに入れたい。
甲状腺薬・SSRI・免疫抑制剤の3カテゴリで注意点を持つ「広域注意成分」。Sランクの効果と引き換えに、治療中の病気がある場合の確認コストが高い。「ストレスが減る」と話題で始める人が多いが、自分の処方薬リストとの照合が必須。
スタチン服用中の補給目的なら理にかなう一方、ワルファリン併用では症例報告がある特殊な位置づけ。2方向の薬と関わる成分は、自分の処方薬を整理してから始めたい。
3成分すべて、SciBaseの成分ページに「飲み合わせ」セクションを設けて添付文書・論文・症例報告ベースで一覧化している。該当しそうな薬を服用している場合は、ページ内の飲み合わせ一覧で具体的な薬剤名を確認したい。
優先順位を悩みベースで決めたい場合は、診断ツール(Analyzer)で7軸(抗老化・肌・脳・ストレス・睡眠・免疫・代謝)から自動で絞り込める。
妊娠中・授乳中・妊活中は、サプリの判断軸が「自分の体の利益」から「胎児・乳児への影響」に切り替わる。3層に分けて整理するのが現実的だ。
レチノール(高用量)・NMN・アシュワガンダ・ベルベリン・セントジョーンズワート・カバ・赤麹。動物試験・症例報告で胎児への影響や流産リスクが指摘されているもの、安全データが不足しているものを含む。
コラーゲンペプチド・コエンザイムQ10・アスタキサンチン・L-テアニン。安全性は比較的高いと推定されるが、妊娠中の十分なRCTデータがない成分群。産婦人科で「これを始めたい」と確認してから。
葉酸(妊娠初期は400μg/日)・ビタミンD・オメガ3(DHA優位の魚油・水銀低品質保証品)・鉄・カルシウム。妊娠中・授乳中の必要量が増える栄養素で、産婦人科でも推奨されることが多い。
授乳中は薬剤・サプリの母乳移行が論点になる。妊娠中はOKでも授乳中は判断が変わる成分があるため、出産前と出産後で必ず再確認したい。
なお本記事は一般情報の提供を目的としており、個別の医療相談・診断・治療方針の代替ではない。
「飲みたかった成分が自分の処方薬と相性が悪い」と分かった場合、次に知りたいのは同じ目的を満たす別成分だ。SciBaseでは各成分ページに「同じ悩みカテゴリ・近いエビデンスランク」の代替候補を自動で表示している。代表例を4組まとめた。
植物由来でレチノール様の作用を持ち、妊娠中・授乳中の使用報告も蓄積している外用成分。シワ・ハリ目的なら直接の代替になりやすい。
ストレス対策目的なら、甲状腺・SSRIとの相互作用が報告されていない成分への切替が候補になる。即効性ならL-テアニン、慢性ストレス対策ならロディオラ。
NMNと同じ「NAD+を補う」経路ではないが、エネルギー代謝・細胞のメチル化を支える役割で関連目的として位置づけ可能。ただし治療中の場合はサプリ追加自体を主治医と相談するのが先。
睡眠改善目的なら、セロトニン経路を経由しない成分への切替が安全。グリシン3gで入眠潜時短縮のRCTが報告されている。
成分ページ末尾の「代替候補」セクション、または診断ツール(Analyzer)で「服用中の薬」を入力すると、avoid/caution の成分を除いた候補が出る運用に向けて拡張中だ。
読んで「該当しそう」と感じたら、最初の一歩は5分以内の超低負荷に絞りたい。3ステップで自分の併用リスクを可視化できる。
処方されている薬の一般名(成分名)を確認するためだ。商品名だけ覚えていても情報が足りない。お薬手帳がない人は、薬の説明書(薬情)か処方箋の写しでも代替できる。撮影した画像は次のステップで参照する。
撮影した画像を見ながら、SciBase成分ページの検索バーに薬の一般名を入れる。該当する成分の「飲み合わせ」セクションに、その薬名が登場するか確認する。回避または要注意に分類されている成分は、自分のリストとして書き出す。
代わりに、いま気になっている悩み(睡眠・ストレス・肌など)から診断ツール(Analyzer)で候補成分を出し、その上で「自分の処方薬と併用して問題ないか」を1成分ずつ確認するルートも有効だ。
ステップ2で書き出した「気になっているけど該当する成分」のリストを、お薬手帳と一緒に薬剤師または主治医に見せる。「この中で併用していい順番を教えてください」と聞ければ十分だ。
これが最も低コストで、最もリスクを下げる行動になる。サプリの選び方を迷う前に、自分の薬リストとの照合を1度すませておくと、その後の判断が大幅に楽になる。
抗凝固薬・抗血小板薬との併用で、理論的に血液の固まりやすさの指標(INR)が上がる可能性が指摘されている。3g/日超の高用量開始時は医師相談・INRの定期チェックが推奨される。
400IU/日超の高用量で抗凝固薬の出血リスクを高める可能性が報告されている。日常用量(30〜100IU)であれば問題は少ない。
血小板を活性化させる物質を抑える働きがあり、ワルファリンとの併用で出血症例が複数報告されている。回避寄りの要注意扱いが安全。
甲状腺ホルモンを上げる方向の作用・SSRIに似た働き・免疫を調節する働きを持ち、複数の処方薬カテゴリと注意点を持つ広域注意成分。Sランクで効果は確立。
セロトニンの直接的な原料となる成分で、SSRIとの併用は急性副作用(高熱・震え・発汗が出るセロトニン症候群)の可能性が複数の症例報告で示されている。SSRI服用中は回避寄り。
エストロゲン含有ピルとの併用で、血の塊が血管に詰まる病気(静脈血栓塞栓症)のリスク増加が添付文書で警告されている。
女性ホルモン(エストロゲン)の受容体に弱く結合し、ピル・更年期ホルモン剤との作用上乗せが指摘されている。甲状腺機能にも影響する可能性。
スタチン服用中の補給目的に合理性がある一方、ワルファリン併用ではワルファリンの効きを弱める症例が報告されている。
化学療法中の使用は腫瘍学会で一時中止が推奨されている。動物試験で膵臓がんの進行促進や、抗がん剤による神経障害の悪化が報告されている。
血糖を下げる作用が複数のRCTで確認されている。糖尿病薬との併用で低血糖リスクが議論される。
処方の睡眠薬(ベンゾジアゼピン系)との併用で日中眠気・反応速度低下が報告されている。1mg程度の低用量から始める運用が安全。
食品扱いだからこそ、お薬手帳に載らず薬剤師の併用チェックが効きにくい構造になっています。米国の大規模健康調査では処方薬服用者の約57%がサプリを併用しており、ハーブの一部は肝臓の薬代謝酵素を介して薬の血中濃度を変えることが添付文書・公的機関レベルで確認されています。「自然由来=安全」は最もリスクが高い思い込みです。
同じ向きの作用を持つ成分を重ねるときは注意が必要です。たとえばオメガ3・ビタミンE・銀杏葉エキスはいずれも血をサラサラにする方向に働くため、3つを同時に高用量で摂ると出血リスクが上乗せになる可能性があります。SciBaseの成分ページの「飲み合わせ」セクションで「同じ向きの作用」を確認できます。
一次情報は処方薬の添付文書(医薬品医療機器総合機構・各製薬会社サイト)と、サプリ側のラベル記載です。SciBaseでは成分ページに添付文書・論文・症例報告ベースの「飲み合わせ」セクションを設けています。最終判断は服用中の薬の処方医・薬剤師に「これを始めたい」と相談するのが最短です。
市販薬でも処方薬と同じ成分を含むものは注意点があります。たとえば市販の抗炎症薬(NSAIDs)は抗血栓薬と併用で消化管出血リスクが上がります。市販薬のリストもお薬手帳に記録しておくと、薬剤師相談時に併用判断がスムーズです。
はい。たとえばカルシウム・マグネシウム・鉄はレボチロキシン(甲状腺ホルモン薬)と同時服用で吸収が30〜50%低下しますが、4時間以上ずらせば併用可能なケースが多いです。テトラサイクリン系抗菌薬とマグネシウムも同様で、抗菌薬の前2〜3時間または後4〜6時間あけることで対応できます。
一部の項目は確認できます。ワルファリン併用ではINR、糖尿病薬併用では血糖値・HbA1c、甲状腺薬併用ではTSH・FT3・FT4が指標になります。サプリ開始の前後で同項目を測ると、影響の有無を客観的に確認できます。気になる項目があれば主治医に「サプリ併用の確認のため」と伝えれば追加してもらえることが多いです。
まずサプリの服用を一時中止し、症状が改善するか観察するのが最初のステップです。改善しない場合や強い症状(息苦しさ・大量出血・意識混濁など)は速やかに医療機関を受診し、サプリの製品名・成分・服用量を伝えてください。お薬手帳と同じ感覚で、サプリの記録を残しておくと診療がスムーズです。
すべてではありません。葉酸(妊娠初期400μg/日)・ビタミンD・オメガ3(DHA優位)・鉄・カルシウムは産婦人科でも推奨されることが多い基礎栄養です。一方でレチノール高用量・NMN・アシュワガンダ・セントジョーンズワート等は原則avoid。第2層(要相談)の成分は産婦人科で「これを始めたい」と確認してから始めるのが安全です。
この記事の成分、あなたに足りているか診断しますか?
この記事で取り上げた11成分を診断に一括追加します。 抗老化・肌・脳・ストレス・睡眠・免疫・代謝の7軸で、どの軸をこの記事の成分が埋めるかが分かります。
Omega-3 (EPA/DHA)
慢性炎症・心血管・認知機能への関与がメタ解析で確認されている
Vitamin E (Tocopherol)
脂溶性の抗酸化ビタミン。細胞膜の酸化損傷を防ぐ基本的抗老化成分
Ginkgo Biloba
認知機能・脳血流への関与がメタ解析で示されているロングセラー成分
Resveratrol
動物実験では有望だが、ヒトでの抗老化効果はまだ確認されていない
Tranexamic Acid
肝斑・色素沈着へのRCTで有効性が示されている美白成分
Soy Isoflavones
植物性エストロゲン様物質。骨密度維持・肌の老化・更年期症状にコホート研究
Ashwagandha
ストレス・コルチゾール低下への関与がメタ解析で確認されている
5-Hydroxytryptophan
トリプトファン→セロトニン→メラトニンの前駆体。気分・睡眠改善にコホート研究
L-Tryptophan
セロトニン・メラトニン・NAD+の共通前駆体。入眠改善がメタ解析で確認された必須アミノ酸
Vitamin K2 (MK-7)
骨密度維持・動脈石灰化予防へのRCTが複数存在するビタミン
Magnesium
睡眠の質・疲労感への関与がメタ解析で確認されている
Calcium
骨密度維持・神経伝達・筋収縮。骨粗鬆症予防でRCTエビデンスが確立
Berberine
血糖・脂質代謝への関与がメタ解析で示されている「植物性メトホルミン」
Chromium
インスリン感受性改善・血糖スパイク抑制・食欲調節への関与がRCTで確認されているミネラル
Alpha-Lipoic Acid
水溶性・脂溶性どちらにも作用する「万能抗酸化物質」。ミトコンドリア機能を守る
Melatonin
入眠時間短縮・時差ぼけへの効果がメタ解析で確認されている
GABA (Gamma-Aminobutyric Acid)
ストレス軽減・睡眠改善の効果がRCTで示されているが機序に議論あり
Coenzyme Q10
ミトコンドリア機能・酸化ストレス低減への関与がRCTで確認されている
Nicotinamide Mononucleotide
NAD+値の上昇は確認されているが、臨床的効果はデータ不足
Probiotics
腸内環境・免疫機能への関与がRCTで確認されているが菌株特異性に注意